○ 第4章(続・続)
  ついに三人のエンジェルズが立ち上がる!

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第4章
美也子は思わず息を
飲んだ
なにあれ
なんだよ
あいつら
亜久亜も声をたてた
怒りを抑えられない
なんだ
てんだ
たい
ひどい
茶茶はき
とテデ
ベアのぬいぐるみを
両手で抱きかかえた
ひどい
ひどい
です
トトプトたちが待つ
丘の上へとたどり着い
た三人
彼女たちの正面
の反対側にはゆるやか
な斜面が何十メ
トル
も続いている
その先
丘の裾野に
としたくぼ地
そこには小さな小
学校があ
木造三階建ての
さな校舎
山の中の
分校
校舎の前には広
した校庭が広が
てい
そこに
ほう
ガキ
ども
俺さま登場
一人の黒い革のジ
ンパ
を着た若い男が
金属バ
トを振り上げ
校舎の入り口の扉
ガツン
と叩きつ
けた
ははははははは
ガンガン
と繰り返
繰り返し
扉がぎしぎしと音を
たてているのが
遠く
離れた丘の上からでも
よく分か
せんせ
子供たちの
小学生
たちの悲鳴
子供たちの姿は校舎
の三階の窓ぎわに見え
少し背が高く見える
のは
おそらく先生だ
ろう
何人かの子供た
ちを
と体の周
りに抱きかかえている
ははははは
あははははは
山あいに響き渡るバ
イクの派手なエンジン
子供たちのいない校
庭に二十人近くの若者
たちがバイクにまたが
ぐるぐる
ぐるぐ
と走り回
ている
ガキども
遊んでや
るぜ
しつけの悪い子は
んとしつけね
おら
はは
バババ
バババババ
というバイクの音
という子供
たちの悲鳴
と亜久亜は手
を握りしめた
トトプトの方へと向き
なおり
トトプト
なんだよ
あれは
うん
トトプトは空中でく
と向きを変え
久亜の方へと顔を向け
ちかくの暴走族
らしいんだ
でも
んか変なんだ
亜久亜は声をあらげ
なにが
それがね
トトプトはぐ
と息
をのみ
それがね
学校の先
生は警察に電話をしよ
うとしてるんだけど
ぜんぜん
通じないの
普通の電話も
携帯電
話も
ルも
無線
まで
なんの異常もな
いのに
それだけじ
ないの
あのね
あの学校から
半径一キロぐらいの範
囲には誰も
本当
に誰もいないの
誰も半径一キロの範
囲にはい
てこない
もともといたはずの人
たちも
いつのまにか
その範囲からいなくな
てるの
まるで
まるで
あの学校を中心に誰か
の手で見えない結界が
張られているみたいに
それ
亜久亜は戸惑いの表
情を浮かべた
丘の下からはバイク
の音が響いてくる
それ
亜久亜さん
茶茶ち
美也子の声が響いた
りんとした
毅然とし
た声
亜久亜と
茶茶は
として振り返
美也子はじ
と丘の
下へと目を向けている
と両方の手を
にぎ
手のひらに
汗がにじむ
と亜久亜と茶茶
の方へと向きなおり
いまはそんなことは
そんなことは関
係ない
子供たちを助
けなき
と息をのみ
二人とも
行くよ
亜久亜は目を見開き
美也子を見つめた
美也子はき
と亜久
亜を見つめている
の目に浮かぶ強い決意
亜久亜は笑
おう
美也子は茶茶へと目
を向けた
茶茶
茶茶は笑
右手
をあげて
とガ
ツポ
はいです
美也子は笑
くん
とうなずき
うん
よけいな言葉はいら
ない
言葉なんてなくても
心と心は通じ合う
きらめきと
きらめ
きのおすそ分け
パリポと
ナミクル
空中で静かにうな
ずいた
そして
トトプトも
とし
た風が吹き抜けていく
まじかる
ステ
三人の声が
しんと
した丘の上に響き渡
美也子が
亜久亜が
茶茶が
と正面へ
と向きなお
丘の
下の学校の方へと向き
なお
と三人の右手
が開かれ
斜め上へと
かかげられる
その瞬間
としたや
わらかな光とともに
空中にステ
クが浮
かび上がる
光につつまれたステ
先に水平にまじわ
た二つのハ
トがつい
たステ
ぷりんて
んの力を
宿したステ
まじかるステ
そのまじかるステ
クが三人のそれぞれ
の手の中に
と浮かび
上が
三人は
とステ
クを握りしめる
そのまま
とス
クがま
すぐ
真上へとかかげられる
美也子は声を発した
亜久亜と
茶茶もほ
とんど同時に声を発し
三人の声が交互に
順番に
響き合う
丘の上に響き合う
にきらめく愛の
宝石
大地にきらめく心の
宝石
天にきらめく幸せの
宝石
と三人の足もと
から風が吹き上が
三人の声が一つに響
き合う
ステ
クの先の二
つのハ
トが
と回
転をはじめる
めぐりあえた奇蹟を
大切に
あなたとあな
たと
あなたとあなた
と美也子はステ
クを左斜め下へと
振り下ろした
亜久亜と
茶茶も
同じように振り下ろす
ぷりんて
と右に向け
平にま
すぐに
ぷりんて
腕をまげ
左に水平
ぷりんて
ざあ
三人のステ
クが体
の前で大きく回される
先頭のハ
トの回転
もさらに早まり
二つ
のハ
トが一つに重な
り合う
まじかる
とふたたびステ
は真上へとかかげられ
美也子の
亜久亜の
茶茶のステ
クが
たく同時に
寸分
のくるいもなく
まじかる
ドリ
ミング
ドリ
ミング
ドリ
ミング
ふわ
とつむじが起
こり
三人の体を
と包
み込む
と先頭のハ
トから光が発せられた
やわらかなきらめき
が三人を覆う
それは
愛のきらめ
心のきらめき
せのきらめき
先頭の二つのハ
が一つになるとき
限のきらめきが彼女た
ちを包み込む
トトプトが
パリポ
ナミクルがその様
子を見つめていた
三人のぷりんて
たちは
お互いに顔を
見合わせ
こくん
うなずきあ
ふわ
とした光の中
きらめ
きの中
美也子の
久亜の
茶茶の着てい
る服は分解され
再構
築される
美也子は
と目
を閉じた
きた
ぱあ
と足もとから頭へと
向か
まばゆい光
が駆け抜けていく
それは
自分が自分
でなくなるような
と体が浮き上がり
あたたかなきらめきの
中に体がとけ込んでい
くような
不思議な感
それまで感じたこと
のなか
た不思議な感
亜久亜も
茶茶も
と目を閉じていた
ばあ
三人をつつむ光
うん
美也子は目を開いた
彼女の髪は金色に変わ
着ている服はピン
クを基調とした
コス
ムへと変わ
いる
幅の広い袖口に
いブ
頭の両脇にハ
トの
形の髪留め
そこから
腰の下まで伸びた二本
の長髪がさらさらと風
に揺れている
そして
左右それぞ
れの胸当ての形はハ
そのハ
トとハ
はふれ合い
ぷりんて
んを象徴する形に
きらめきの形を形作
ている
彼女でない
彼女
自分でない
自分
それは美也子であ
美也子でない
じかるエンジ
ルズの
まじかるエ
ンジ
ミフテ
アミ
ミフテ
は言
すぐに後ろから返事
が返
てくる
亜久亜は
まじか
るエンジ
アミ
は答えた
彼女の髪は赤
青い
きりとし
たコスチ
一つ
に束ねられた髪が後ろ
ばあ
とたな
びいている
彼女は笑い
いつでもいいぜ
はいです
茶茶は
まじかる
エンジ
は答えた
彼女の髪はすんだ
透き通
た水色
明るい
淡い
黄色
のコスチ
頭の
まん中には
大きな
でも
こんとした
かわいいリボン
いくです
うん
美也子はす
と顔を
あげた
と腰をかがめ
とその場から飛び
上がる
亜久亜と茶茶も後に
続いた
えい
とり
はいです
三人の体は
ばあ
と高く
高く
空高く舞い上が
十メ
トルか上空で
キラリ
とした三つの
小さな光の点となる
はい
そこから
そこから
三人はぐ
と一回転すると
一気に地上へと降
りてくる
三本の美しい矢とな
黄色い
青い
ピン
クの三つの矢
ざん
と三人は校庭のすぐ手
丘の中腹へと降り
目の前のすぐ下では
暴走族たちが我が物顔
でバイクを乗り回し
校庭を走り回
ている
甲高いエンジンの音
を響かせながら
奇声をあげながら
はははははは
さま登場
ガキども降りといで
に遊ぼうぜ
そこに
ふいに割
てはいる三人の少女た
ちの声
ミフテ
アミ
コの声
おまちなさい
ざわ
と暴走族た
ちのあいだにざわめき
が走る
ガツ
とすべてのバイ
クがブレ
キをかけ
停止する
彼らはき
ろき
ろき
ろと辺りを
見回した
なんだ
いまの声
女か
なんだ
一人のバイクにまた
た男が丘の中腹へ
と目を向けた
腕をあげ
彼女たちを
指さした
なんだ
あいつ
暴走族全員の視線が
ずわ
と丘の中腹へと向けら
れた
なんだ
なんだ
あの女
あれは
すぐに
すぐに
校舎の三階
の教室で震えていた多
くの子供たちも異変に
気がついた
子供らは目を見開き
と窓ぎわへ
とい
せいに駆け寄
あれ
一人の子供が窓から
身を乗り出し
指さし
先生
あれ
何人かの先生たちも
驚きの表情を浮かべる
男の先生も
女の先
生も
ぼうぜんと窓の
外へと目を向けていた
子供たちは
声をあげる
あれ
あのお姉ち
んたち
あれ
せんせ
ぼく
てる
テレビでみたよ
あれは
トトプトが
パリポ
ナミクルが
と丘の
上をわたり
三人のと
ころにまで下り降りて
くる
ぷりんて
んたちは
ふわ
と少女たちのす
ぐ脇の空中に止ま
ミフテ
トトプトは言
少女たちのリ
ミフテ
は目を伏せた
と笑
と顔をあげる
とま
すぐに正
面を見つめた
と手に持
たス
クを上へとかか
げる
アミ
コも後に続く
先頭の二つのハ
きらり
と光をは
愛の妖精ぷりんて
から力をさずか
と足を開いた
と反対の手を脇
へとのばす
愛の
まじかる☆
エンジ
ルズ
と子供たちの
歓声があが
大きな
大きな声
歓声
子供たちの喜びの声
ミフテ
アミ
コは
と笑
すぐに正面の子
供たちへと目を向ける
とステ
クを
水平に横へとのばす
小学生の皆さん
三人の声がきれいに
そろ
ステ
クをふわ
と上へとかかげる
小学生の皆さん
あなたの幸せは
わた
しと
ぷりんて
んに
おまかせよ
三人のエンジ
ルた
ちは
こん
と顔
を右に傾け
子供たち
に向か
えい
ぱちん
とウ
ンクし
きら
とほんの一瞬
瞳が
きらきら
と光
こりとほほ笑む
と響き渡
る歓声
子供たちの歓声
さらに
大きな
きな歓声
三人はステ
クを
頭の上で軽くふり
う一度
にこ
こり
とほほ笑んだ