○ 第3章
  まじかる☆エンジェルズ、全員集合?・・・

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.
第
3
章
﹁
お
︱
い
、
み
ゃ
︱
こ
!
﹂
﹁
美也子お姉さま
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
﹂
.
よく晴れた日曜日の
午後
、
白塗りの壁の二
階建ての家の前で
、
少
女二人の声が高らかに
響く
。
﹁
お
︱
い
、
み
ゃ
︱
こ
ぉ
、
来たぞ
︱
﹂
﹁
お姉さま
ぁ
、
来たで
す
ぅ
﹂
.
う
ぅ
うう
︱
︱
︱
︱
︱
︱
。
.
美也子は二階の自室
、
勉強机の前の椅子に座
りながら
、
その声を聞
いていた
。
.
右手の
、
家の正面に
面した窓は大きく開か
れている
。
.
風が吹き込み
、
薄い
ピンクの花柄のカ
︱
テ
ンが
、
ふわりと揺れた
。
.
ふわ
っ
、
ふわり
。
.
続いて響く
、
けたた
ましい呼び声
。
﹁
お
︱
い
、
み
ゃ
︱
こ
、
いないのか
︱
﹂
﹁
美也子お姉さま
ぁ
、
来たです
ぅ
﹂
.
ううう
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
う
ぅ
・
・
・
.
美也子は机に両方の
肘をつき
、
両手で両頬
を
、
むに
ゅ
、
とかかえ
た
。
ううう
ぅ
ぅ
ぅ
︱
︱
、
来た
、
来た
、
来た
、
ま
た来た
、
う
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
う
、
も
ぉ
!
.
二人が訪れるのは
、
この一週間で
、
これで
三回目だ
っ
た
。
その度
に
、
読んでいた本を中
断させられたり
、
勉強
の予習を中断させられ
たり
、
観ていたテレビ
を中断させられたりし
ていた
。
.
ちなみに
、
いまは明
日が期限の数学の宿題
をしていたところ
。
.
も
ぉ
!
﹁
み
ゃ
︱
こ
ぉ
﹂
﹁
お姉さま
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
﹂
.
と
、
ふいに
、
.
ガチ
ャ
リ
、
.
・
・
・
と
、
階下で扉
の開く音
。
玄関の扉が
開く音
。
﹁
あら
ぁ
、
亜久亜
︵
ア
クア
︶
さんに
、
茶茶
︵
ち
ゃ
ち
ゃ
︶
ち
ゃ
ん
、
いら
っ
し
ゃ
い
﹂
.
う
ぅ
ぅ
︱
︱
、
ママ
、
わざわざ表に出ること
ないわよ
、
そんな二人
、
ほ
っ
といていいわよ
、
う
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
、
も
ぉ
・
・
・
.
美也子は
、
う
ぅ
ぅ
、
すくり
、
と椅子から立
ち上がると
、
窓辺へと
近づき
、
さ
っ
、
ささ
っ
、
とカ
︱
テンのかげに隠
れ
、
そ
っ
と
、
本当にそ
っ
と
、
表を覗きみた
。
.
う
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
・
・
・
.
家の前は広
々
とした
公園
。
.
あちこちに休憩用の
ベンチがしつらえられ
、
木
々
が植えられ
、
滑り
台や
、
ブランコもある
。
日曜日の午後にしては
、
人影はぱらぱらとまば
らだ
っ
た
。
.
その公園と自宅との
あいだ
、
舗装されたや
や幅広のま
っ
すぐな道
︱
︱
住宅街の中の道
。
.
そこに
、
二人の少女
が立
っ
ていた
。
ち
ょ
う
ど美也子の家の
、
腰ぐ
らいの高さの低い白塗
りの門の前
。
.
美也子にと
っ
ては
、
二人とも
、
もうよく見
知
っ
ている相手
。
.
門から玄関までは庭
をはさんで
、
五
、
六メ
︱
トルほどの距離があ
る
。
.
ここからは見えない
が
、
玄関のところには
彼女の母親が顔をみせ
ているのだろう
、
少女
二人は
、
手を上げ
、
に
こにこと笑
っ
ている
。
﹁
あ
︱
、
ども
︱
、
また
来ました
!
﹂
﹁
来たです
ぅ
、
お母さ
ま
﹂
.
すぐに返
っ
てくる声
。
﹁
いら
っ
し
ゃ
い
。
美也
ち
ゃ
んは二階にいるわ
よ
﹂
﹁
お姉ち
ゃ
ん
、
二階だ
よ
﹂
.
最初の声は母親
、
後
の声は小学校に上が
っ
たばかりの妹
、
奈奈の
ものだ
っ
た
。
﹁
あのね
ぇ
、
奈奈
、
こ
れからママとい
っ
し
ょ
にお買い物にいくの
。
あのね
、
新しいお洋服
、
買
っ
てもらうの
。
でも
ね
、
お姉ち
ゃ
んはいか
ない
っ
て
。
だからね
、
あのね
、
だから
、
お姉
ち
ゃ
ん二階にいるよ
﹂
.
うう
ぅ
・
・
・
.
美也子は思
っ
た
。
し
ま
っ
た
、
こんなことな
ら
、
さ
っ
きママに訊か
れたときに
、
行く
、
っ
て言えばよか
っ
た
。
.
いまさらもう
、
や
っ
ぱり行く
、
なんて言え
ない
。
.
う
ぅ
ぅ
ぅ
。
.
すべてはもう後の祭
り
。
﹁
へ
ぇ
、
そうなんだ
、
奈奈ち
ゃ
んよか
っ
たね
﹂
﹁
よか
っ
たです
ぅ
。
奈
奈ち
ゃ
ん
、
かわいいか
ら
、
も
っ
とかわいくな
るです
ぅ
﹂
﹁
えへへ
﹂
.
母親と
、
母親の腕に
両手でし
っ
かりとしが
みついている奈奈の姿
が見えた
。
.
玄関から門の方へと
歩いてくる
。
二人とも
外出用のきれいな衣服
に身をつつんでいる
。
﹁
よか
っ
たわ
。
ち
ょ
う
どいま
、
奈奈と出かけ
るところだ
っ
たの
。
で
も
、
お二人ともご遠慮
なくおあがりにな
っ
て
。
美也子
、
一人で留守番
だから
、
と
っ
てもよろ
こぶわ
﹂
.
よろこばない
!
.
宿題
、
まだ終わ
っ
て
ないのに
ぃ
!
.
美也子は
、
かくん
、
と首をかたむけた
。
も
︱
、
ま
、
しかたないか
・
・
・
﹁
う
ぃ
︱
す
﹂
﹁
はいです
ぅ
﹂
.
母親は門をカチ
ャ
リ
、
と開けた
。
.
美也子は
、
ちら
っ
と
庭へと入
っ
てくる二人
の少女へと目を向けた
。
.
やれやれ
・
・
・
.
一人の少女は背が高
く
、
まだ春だというの
に
、
薄手のシ
ャ
ツに
、
下もカジ
ュ
アルなシ
ョ
︱
トパンツという姿を
していた
。
.
遠く離れた二階から
でも
、
バスケ
ッ
トをし
て鍛えたという
、
二の
腕や
、
ふとももが
、
き
ゅ
っ
と引き締ま
っ
てい
るのがよく分かる
。
.
美也子より二つ年上
、
中学三年生
。
.
名前は
、
杉本亜久亜
︵
すぎもとアクア
︶
。
.
体育会系
。
﹁
それじ
ゃ
、
おじ
ゃ
ま
しま
っ
す
﹂
.
.
もう一人の少女はど
こか幼さの残る顔立ち
で
、
淡い赤みがか
っ
た
色の
、
ふんわりとした
お嬢様風のワンピ
︱
ス
ドレスに身をつつんで
いた
。
.
美也子の二つ年下
、
まだ小学五年生
。
.
小脇にはテデ
ィ
ベア
のぬいぐるみを大切そ
うに抱え
、
に
っ
こりと
笑
っ
ている
。
.
名前は
、
如月茶茶
︵
きさらぎち
ゃ
ち
ゃ
︶
.
お嬢様
?
系
。
﹁
おじ
ゃ
まするです
ぅ
﹂
﹁
それじ
ゃ
、
お二人と
も
、
ごゆ
っ
くり
﹂
﹁
う
ぃ
っ
す
﹂
﹁
はいです
ぅ
﹂
.
やれやれ
・
・
・
.
母親と奈奈はそのま
ま門の外へと出て
、
道
を向こうへと歩いてい
っ
た
。
.
二人の少女は玄関の
方へと
。
.
おそらく
、
いま
、
こ
の瞬間には他の人
々
に
は
︱
︱
もちろん
、
母親
と奈奈にも
︱
︱
見えて
はいないはずだ
っ
た
。
.
でも
、
二人の少女
、
亜久亜と
、
茶茶のすぐ
脇の空中には
、
それぞ
れ水色と黄色の
、
﹃
ぷ
りんて
ぃ
ん
﹄
が
、
ふわ
ふわ
、
ふわふわと浮か
んでいた
。
.
ふわふわ
、
ふわふわ
、
と
。
.
二人
?
の
、
ぷりんて
ぃ
んたちも
、
にこにこ
、
にこにこと笑
っ
ている
。
﹁
お
︱
い
、
み
ゃ
︱
こ
ぉ
﹂
﹁
美也子お姉さま
ぁ
ぁ
﹂
.
すぐに階下から声が
響いてくる
。
﹁
はい
、
はい
、
はい
﹂
.
美也子は窓辺をはな
れ
、
開け放たれたまま
の
、
部屋の出口へと向
か
っ
た
。
.
知らず知らずのうち
に
、
両腕を組んでいた
。
.
む
ぅ
、
と思う
。
.
も
ぉ
、
とつぶやいて
いた
。
﹁
ま
っ
たく
、
も
ぉ
。
い
まさらどうでもいいけ
どね
、
どうして
、
いつ
のまにか
、
私の部屋が
、
まじかるエンジ
ェ
ルズ
の会議室にな
っ
たのよ
、
も
ぉ
﹂
.
☆
.
.
.
☆
.
.
.
☆
﹁
だ
っ
て
、
しかたない
じ
ゃ
ん
、
み
ゃ
︱
こがリ
︱
ダ
︱
なんだし
﹂
.
亜久亜は丸いココナ
ッ
ツ
・
チ
ョ
コレ
︱
トを
親指で
、
ひ
ょ
ん
、
と上
に放り投げ
、
ぱくん
、
と口に飲み込み
、
言
っ
た
。
.
シ
ョ
︱
トパンツから
下
、
むき出しの素足
。
その引き締ま
っ
た片方
の足をす
っ
と伸ばし
、
片方の膝をたて
、
絨毯
の上に座
っ
ている
。
.
反対の手を後ろに突
いて
、
体を支えている
。
﹁
な
、
茶茶
﹂
﹁
そうですよ
ぉ
﹂
.
茶茶は首をち
ょ
こん
と傾けて
、
にこ
っ
と笑
う
。
.
絨毯の上
、
亜久亜の
斜交い
︵
はすかい
︶
、
正座の姿勢から少しだ
け足をくずして座
っ
て
いる
。
.
ワンピ
︱
スドレスが
、
ひだを波打たせ
、
ふわ
り
、
ふわ
っ
と絨毯の上
に広が
っ
ている
。
.
ビロ
︱
ドの海のよう
。
﹁
だ
っ
て
、
美弥子お姉
さまがリ
︱
ダ
︱
なんだ
から
、
しかたないです
よ
ぉ
﹂
﹁
はい
、
はい
、
はい
、
そうですね
﹂
.
美也子は湯気のた
っ
た五つのテ
ィ
︱
カ
ッ
プ
︱
︱
大きめのカ
ッ
プが
三つ
、
小さなカ
ッ
プが
二つをお盆に載せて
、
部屋へと入
っ
てきた
。
.
わざわざ下の台所か
ら運んできたもの
。
.
わざわざ
、
わざわざ
。
.
亜久亜は体をぐい
っ
と後ろにのけぞらせ
、
顔を上下逆さまにし
、
﹁
ね
ぇ
︱
、
ね
ぇ
、
み
ゃ
︱
こ
、
それなに
?
﹂
﹁
ホ
ッ
トココア
﹂
﹁
お
っ
、
いいね
ぇ
﹂
.
亜久亜は後ろに突い
ていた手をはなし
、
上
体を起こした
。
.
ぱちん
、
ちん
、
と指
を鳴らす
。
﹁
俺さ
、
ホ
ッ
トココア
っ
て好きな
んだよな
︱
﹂
﹁
茶茶も好きです
ぅ
﹂
﹁
はい
、
はい
、
はい
。
もう十分わか
っ
ており
ますわよ
、
二人とも
。
はい
、
はい
﹂
.
美也子の部屋
、
その
中ほど
、
小さなガラス
のテ
︱
ブルが置かれて
いる
。
.
二人はその周りに座
っ
ている
。
.
そして
、
テ
︱
ブルの
上には
・
・
・
﹁
はい
、
おまたせ
、
ど
うぞ
﹂
.
美也子はに
っ
こりと
笑
っ
た
。
.
小さなカ
ッ
プ二つを
先に手にとり
、
順番に
テ
︱
ブルの上に置いた
。
﹁
美也子さん
、
ありが
とうございます
﹂
﹁
あ
っ
、
お構いなく
﹂
.
テ
︱
ブルの上に
、
ち
ょ
こん
、
とお尻をつい
て
、
お行儀よく座
っ
て
いた二人
?
のぷりんて
ぃ
んが
、
ぺこ
、
ぺこと
頭をさげた
。
.
美也子はくす
っ
と笑
っ
た
。
.
水色の方
︱
︱
.
亜久亜に力を分け与
えた
、
ぷりんて
ぃ
んで
、
.
名前は
、
パリポ
。
.
黄色い方
︱
︱
.
茶茶に力を分け与え
た
、
ぷりんて
ぃ
ん
。
.
名前は
、
ナミクル
。
.
二人とも女の子の
、
ぷりんて
ぃ
んだ
っ
た
。
.
女の子らしく
、
二人
とも
、
にこ
っ
と笑
っ
て
いる
。
.
パリポとナミクルと
出会い
、
美也子ははじ
めて
、
ぷりんて
ぃ
んに
も
、
男の子と女の子が
いることを知
っ
た
。
.
もちろん
、
トトプト
は男の子
。
当たり前
。
.
ちなみにナミクルは
トトプトの
・
・
・
.
そのトトプトは
・
・
・
﹁
あれ
?
.
そういえば
﹂
と亜久亜は立てていた
足をす
っ
と伸ばし
、
き
ょ
ろき
ょ
ろと辺りを見
回した
。
﹁
トトプト
は
?
﹂
﹁
あ
、
うん
、
トトプト
はね
﹂
.
美也子は大きな三つ
のカ
ッ
プを順番に
、
.
一つ目は茶茶の前に
、
コトン
、
と
、
﹁
あ
、
ど
︱
もです
ぅ
﹂
.
二つ目は亜久亜の前
に
、
カタン
、
と
、
﹁
お
っ
、
サンキ
ュ
︱
﹂
.
最後の一つを自分の
席の前に
、
コ
ッ
トン
、
と置いた
。
.
三つのカ
ッ
プは
、
ふ
わ
っ
、
とした湯気をた
てる
。
ふわ
っ
とした甘
い甘い香り
。
.
と
っ
ても
、
あたたか
そう
。
.
と
っ
ても
、
おいしそ
う
。
.
うん
・
・
・
﹁
あのね
、
トトプトは
・
・
・
﹂
.
美也子はお盆をテ
︱
ブルの端に立てかけ
、
はいている白いジ
︱
ン
ズのすそを軽く引
っ
張
り
、
正座の姿勢で
、
ス
トン
、
と絨毯の上に座
っ
た
。
﹁
あのね
﹂
.
首をち
ょ
っ
とだけ傾
け
、
﹁
あのね
、
トトプ
トはまたパトロ
︱
ルに
出かけてるの
﹂
﹁
へ
ぇ
﹂
と亜久亜
。
﹁
ほ
ぇ
﹂
と茶茶
。
.
美也子はにこ
っ
と笑
い
、
﹁
ま
、
ね
、
あの子も働
き者だから
﹂
﹁
うん
、
そうだよな
﹂
.
亜久亜は両腕を組み
、
うんうん
、
うんうん
、
とうなずいた
。
﹁
トトプトはいつも偉
いよな
ぁ
、
ほんと
。
だ
いたいさ
﹂
.
亜久亜はちら
っ
とテ
︱
ブルの上のパリポへ
と目を向けた
。
.
彼女の水色のぷりん
て
ぃ
ん
、
パリポは両方
のぷにぷにのお手
々
で
カ
ッ
プをつかみ
、
器用
に傾け
、
ココアをこく
こく
、
こくこく
、
と飲
んでいる
。
.
パリポはおし
ゃ
れな
のか
、
首から小さなペ
ンダントを下げている
。
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
﹁
ふに
ゅ
︱
﹂
.
と
っ
てもおいしそう
。
.
と
っ
ても幸せそう
。
.
にこにこ
、
にこにこ
、
と笑
っ
ている
。
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
にこにこ
、
にこにこ
・
・
・
.
小さいカ
ッ
プ
、
とい
っ
ても
、
それは人間か
ら見てのこと
。
ぷりん
て
ぃ
んたちから見れば
、
体と同じぐらいの大き
さはある
。
﹁
な
ぁ
、
パリポ
﹂
と亜
久亜は言
っ
た
。
﹁
はい
?
﹂
.
なおも
、
こくこく
、
こくこく
、
と飲んでい
る
。
ふに
ゅ
︱
。
﹁
あのさ
﹂
﹁
はい
?
﹂
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
﹁
あのさ
、
お前さ
、
い
つもそうや
っ
て
、
お菓
子食べたり
、
ジ
ュ
︱
ス
やお茶飲んでば
っ
かり
いてさ
、
お前もトトプ
トみたいに
、
パトロ
︱
ルに行かなくていいわ
け
?
﹂
﹁
え
︱
、
だ
っ
て
ぇ
﹂
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
ふに
ゅ
︱
、
とカ
ッ
プ
から口をはなし
、
隣の
ナミクルの方へと顔を
向けた
。
.
茶茶の黄色いぷりん
て
ぃ
ん
、
ナミクルも
、
同じようにココアを飲
んでいた
。
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
﹁
ふみ
ゅ
︱
﹂
.
幸せそう
。
.
ふみ
ゅ
み
ゅ
︱
、
と口
をはなした
。
﹁
ね
︱
、
だ
っ
てね
︱
、
ナミクル
﹂
﹁
そうよね
︱
、
パリポ
﹂
.
二人は顔を見合わせ
、
﹁
ね
︱
﹂
と声を合わせ
た
。
.
口の周りには
、
茶色
いココアが付いている
。
﹁
ね
︱
、
だ
っ
てね
︱
、
そういうの
っ
て
・
・
・
日本中
、
飛び回
っ
て
、
心のよごれたエンジ
ェ
ルさんを見つけてくる
の
っ
て
・
・
・
と
っ
ても
大切だけど
、
.
でも
、
それ
っ
て
、
け
っ
こう大変だし
︱
、
ま
だ寒いし
︱
、
や
っ
ぱり
肉体労働だし
︱
、
お肌
荒れるし
︱
、
変な筋肉
ついち
ゃ
うし
︱
、
それ
っ
て
、
や
っ
ぱり
・
・
・
.
う
︱
ん
、
や
っ
ぱり
、
パトロ
︱
ル
っ
て
、
男の
子の仕事よね
︱
﹂
﹁
そうよね
︱
﹂
.
亜久亜はち
ょ
っ
とあ
きれ顔
。
.
ぽりぽり
、
と人さし
指で頬をかいた
。
﹁
あ
のさ
、
そういうもんな
のか
?
﹂
.
パリポは亜久亜の方
へと向き直
っ
た
。
.
くす
っ
と笑
っ
た
。
﹁
はい
、
そういうもの
なんです
﹂
﹁
でもさ
ぁ
、
パリポ
。
それにナミクル
。
お前
たちさ
ぁ
﹂
.
亜久亜は首をかしげ
、
﹁
特に
、
パリポ
、
お前
さ
ぁ
、
俺のところにき
たときさ
ぁ
、
虚無とカ
オス
︵
混沌
︶
がなんた
らかんたらで
、
.
急がないと時間がな
いとか
、
なんとか
、
言
っ
てなか
っ
たか
ぁ
。
.
だから
、
心に愛と幸
せの宝石を秘めた
、
ま
じかるエンジ
ェ
ルが必
要で
、
それと
、
なんた
らいう長老が
・
・
・
﹂
﹁
あ
、
それ
﹂
.
茶茶は笑
っ
た
。
.
ば
っ
と片方の手を上
げ
、
﹁
私もナミクルからス
テ
ィ
ッ
クもらうときに
言われましたです
ぅ
﹂
﹁
だろ
?
﹂
﹁
はい
、
です
﹂
.
パリポはくす
っ
と笑
っ
た
。
.
ナミクルも笑
っ
た
。
.
二人して
、
小さな右
手を
、
ぷにぷに
、
ぷに
ぷに
、
と左右に振
っ
た
。
.
ぷにぷに
、
ぷにぷに
・
・
・
.
ぷにぷに
、
ぷにぷに
・
・
・
﹁
わか
っ
てませんね
、
お二人とも
﹂
﹁
そうです
、
わか
っ
て
ませんね
﹂
﹁
うん
?
﹂
﹁
はに
ゃ
?
﹂
.
パリポは亜久亜へと
目を向け
、
茶茶へと目
を向けた
。
ふいにまじ
めな顔つきになり
、
﹁
いいですか
、
お二人
とも
﹂
.
ぷにぷに
、
ぷにぷに
・
・
・
.
ぷにぷに
、
ぷにぷに
・
・
・
.
びし
っ
と右手を前へ
と伸ばした
。
﹁
それはそれ
、
これは
これ
、
です
﹂
﹁
はあ
っ
?
﹂
﹁
ほへ
っ
?
﹂
.
ナミクルも
、
うなず
いた
。
﹁
そうそう
﹂
.
二人へと順番に目を
向け
、
﹁
そうです
、
それはそ
れ
、
これはこれ
、
なん
です
﹂
﹁
そ
、
それでいいのか
、
パリポ
?
﹂
﹁
いいんです
﹂
﹁
本当に
?
﹂
﹁
はい
﹂
﹁
そういうもんなのか
ぁ
?
﹂
﹁
そういうものなんで
す
﹂
﹁
ココアうまい
?
﹂
﹁
おいしいです
﹂
﹁
さぼりたいだけじ
ゃ
ないの
?
﹂
﹁
ちがいます
﹂
﹁
う
︱
ん
﹂
.
亜久亜は
、
ぽりぽり
、
と指先で頬をかいた
。
パリポはなにやら
、
ふ
に
ゅ
︱
っ
と
、
自信た
っ
ぷり
。
﹁
う
︱
む
﹂
.
亜久亜はき
ゅ
っ
と引
き締ま
っ
た両腕を
、
く
い
っ
と組んだ
。
﹁
ふ
︱
む
﹂
.
目を閉じ
、
首を少し
だけ左に傾けた
。
.
しばらく
・
・
・
.
しばらくなにかを考
えているふうであ
っ
た
。
.
誰もが
︱
︱
美也子も
、
茶茶も
、
ごく
っ
と息を
飲んだ
。
.
と
、
亜久亜はふいに
目を開いた
。
.
にか
っ
と笑
っ
た
。
﹁
ま
、
い
っ
か
﹂
.
がく
っ
、
.
・
・
・
と
、
美也子は
思わず前のめりに倒れ
そうにな
っ
た
。
.
茶茶も
、
がく
っ
、
と
倒れそうにな
っ
た
。
.
パリポと
、
ナミクル
は
、
くす
っ
と笑
っ
た
。
.
くすくす
、
くすくす
、
と笑
っ
ている
。
﹁
あのさ
、
はは
﹂
.
亜久亜は笑
っ
た
。
.
頭の後ろに手を当て
、
ぽりぽり
、
ぽりぽり
、
と頭をかいた
。
﹁
あのさ
、
よく考えた
ら
、
俺
、
むずかしいこ
と考えるの苦手だしさ
、
なんだか頭痛くな
っ
て
きた
﹂
﹁
はい
﹂
.
パリポも笑
っ
た
。
﹁
むずかしいことはい
いんです
﹂
.
くす
っ
と笑
っ
た
。
.
ふたたび
、
こくこく
、
こくこく
、
とココアを
飲み始める
。
﹁
時間は
ないけど
、
ゆ
っ
くり
、
のんびり
、
一歩一歩で
す
。
いまはココアの時
間です
﹂
.
茶茶も笑
っ
た
。
.
くすくす
・
・
・
.
くすくす
・
・
・
﹁
ですね
﹂
.
テ
︱
ブルの上のカ
ッ
プを手に取り
、
こくこ
く
、
こくこく
、
とココ
アを飲み始める
。
.
ナミクルも笑
っ
た
。
﹁
そうそう
、
そういう
こと
!
﹂
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
美也子はぐる
っ
とみ
んなを順番に見回した
。
.
誰もが
、
.
くすくす
、
.
にこにこ
、
と笑いな
がら
、
ココアを飲んで
いる
。
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
にこにこ
、
くすくす
・
・
・
.
う
︱
む
。
美也子はど
うにも
、
いまいち
、
な
っ
とくがいかない
。
.
ね
ぇ
、
ち
ょ
っ
と
、
み
んな待ちなさいよ
。
.
美也子は思
っ
た
。
.
ね
ぇ
、
ち
ょ
っ
と
、
本
当にそれでいいの
?
.
ね
ぇ
、
ち
ょ
っ
と
、
みん
な
。
.
でも
、
口に出しては
言わない
。
.
と
、
いうか
、
言えな
い
。
.
みんな
、
こくこく
、
こくこく
、
とココアを
飲んでいる
。
.
くすくす
、
くすくす
、
.
にこにこ
、
にこにこ
、
と笑
っ
ている
。
.
う
︱
、
も
ぉ
。
.
美也子はカ
ッ
プを手
に取り
、
口をつけた
。
ぶつぶつ
、
ぶつぶつ
・
・
・
.
ココアを
、
こくこく
、
こくこく
、
と飲み
、
.
も
ぉ
、
結局
、
うちの
トトプトば
っ
かり
、
が
んばらせて
・
・
・
ぶつ
ぶつ
、
ぶつぶつ
・
・
・
.
ま
っ
たく
、
も
ぉ
・
・
・
.
美也子はテ
︱
ブルの
上からポテトチ
ッ
プの
袋を手に取
っ
た
。
.
も
ぉ
。
.
パリン
、
と両方の手
で袋を開ける
。
.
ま
っ
たく
、
も
ぉ
・
・
・
.
最近
、
いつもそうな
んだから
・
・
・
.
みんな調子いいんだ
から
。
.
だいたい
・
・
・
.
ぶつぶつ
、
ぶつぶつ
。
﹁
あ
︱
、
それにですね
﹂
とパリポは唐突に言
っ
た
。
﹁
それに
、
できればい
まはトトプトにたくさ
ん活躍させてあげた方
がいいんです
。
あの子
もいろいろと事情があ
ることだし
・
・
・
﹂
﹁
え
っ
?
﹂
.
美也子は思わず顔を
あげた
。
パリポへと目
を向ける
。
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
パリポは再びココア
を飲み始めていた
。
.
ナミクルもうなずい
た
。
﹁
そうね
、
トトプトも
あれでいろいろと大変
だしね
﹂
﹁
え
っ
?
﹂
.
ナミクルへと目を向
ける
。
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
.
こくこく
、
こくこく
・
・
・
﹁
そうそう
﹂
﹁
そうよね
︱
﹂
﹁
え
っ
、
あの
﹂
.
美也子は思わずパリ
ポとナミクルを見つめ
、
言
っ
た
。
.
ポテチの袋を手に持
っ
たまま
、
﹁
あ
、
あの
、
事情
っ
て
・
・
・
﹂
.
パリポとナミクルを
交互に見つめ
、
﹁
あ
、
あの
、
パリポ
、
ナミクル
・
・
・
ト
、
ト
トプトが
・
・
・
うちの
トトプトが
・
・
・
あの
、
どうかしたの
?
.
あの
・
・
・
事情
っ
て
・
・
・
﹂
﹁
あ
、
それはですね
﹂
.
パリポは
、
ふに
ゅ
っ
とカ
ッ
プから口をはな
し
、
続いて手をはなし
た
。
コトン
、
と音をた
て
、
カ
ッ
プがテ
︱
ブル
の上にま
っ
すぐに立
っ
た
。
﹁
う
、
うん
、
なに
?
﹂
.
パリポは
、
ふ
︱
、
と
息をついた
。
.
ちら
っ
とナミクルを
見て
、
﹁
ナミクル
?
﹂
﹁
あ
、
別にいいよ
、
言
っ
ても
﹂
.
ナミクルはココアを
飲んだまま言
っ
た
。
﹁
そ
ぉ
?
﹂
.
パリポはち
ょ
っ
とだ
け頭をさげ
、
短いぷに
ぷにのお手
々
で頭のリ
ボンを
、
ふにふにと触
っ
た
。
﹁
じつは
、
ですね
﹂
﹁
う
、
うん
﹂
﹁
トトプトは以前に
、
まじかるランドで
・
・
・
﹂
﹁
うん
﹂
.
・
・
・
.
・
・
・
・
・
・
.
と
、
そのとき
、
だ
っ
た
。
.
.
ぷり
︱
ん
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
.
ぷりん
、
ぷりん
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
.
・
・
・
・
・
・
﹁
え
っ
?
﹂
.
美也子はは
っ
として
顔をあげた
。
﹁
あれ
っ
?
﹂
﹁
ほえ
っ
?
﹂
.
亜久亜と茶茶も
、
ほ
とんど同時に声を立て
た
。
.
は
っ
として顔をあげ
る
。
.
﹃
それ
﹄
は耳にでは
なく
、
頭の中に直接
、
響いてくる
。
三人にと
っ
ては
、
この数週間の
あいだに
、
もうす
っ
か
りおなじみにな
っ
たも
のだ
っ
た
。
.
.
・
・
・
・
・
・
.
.
ぷりん
、
ぷりん
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
.
ぷりぷり
、
.
.
ぷりぷり
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
.
ぷり
︱
ん
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
﹃
それ
﹄
は
、
ぷりん
て
ぃ
んたちが持つ特殊
能力
。
.
物理的な現象によら
ず
、
心と心をつなぐ
、
ぷりんて
ぃ
んの不思議
な能力
、
シンパシ
︱
︵
共鳴能力
︶
。
.
場所の制約を越えて
、
距離の制約を越えて
、
心と心を
、
言葉と言葉
を通い合わせることが
できる
。
.
特殊な通信手段
。
.
ステ
ィ
ッ
クの助けを
借りれば
、
美也子たち
も行うことができる
。
.
きらめきの力で
。
.
ぷりんて
ぃ
んの力で
。
.
愛の力で
。
.
簡単にいえば
、
一種
のテレパシ
︱
。
.
.
ぷり
︱
ん
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
.
ぷりん
、
ぷりん
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
.
ぷりぷり
、
.
.
ぷりぷり
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
.
.
ぷり
︱
ん
、
.
.
ぷりんて
ぃ
ん
﹁
トトプト
!
﹂
.
三人はほとんど同時
に声を上げた
。
.
ざ
っ
、
ざし
ゅ
、
とカ
ッ
プをテ
︱
ブルの上に
置き
、
ば
っ
とその場に
立ち上がる
。
.
ば
っ
、
ばば
っ
、
と
。
.
亜久亜が
、
茶茶が
、
.
そして
、
.
美也子が
・
・
・
.
ガツ
ッ
!
﹁
あう
っ
﹂
.
つ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
。
.
美也子はその場にう
ずくま
っ
た
。
.
立ち上がる瞬間
、
右
ひざがテ
︱
ブルのふち
に
、
ガツ
ッ
ッ
、
とぶち
当た
っ
たのだ
。
﹁
あいた
っ
、
つ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
﹂
﹁
あ
っ
、
お姉さま
、
だ
いじ
ょ
うぶですか
?
﹂
.
茶茶が心配そうに振
り返る
。
.
美也子は笑
っ
た
。
手
をかざし
、
﹁
はは
、
は
、
だ
、
だい
じ
ょ
おぶ
︱
﹂
.
パリポは
、
き
っ
とし
た表情になると
、
テ
︱
ブルの上にすく
っ
と立
ち上が
っ
た
。
ふと思い
出したように
、
美也子
の方を見つめ
、
﹁
美也子さん
、
トトプ
トの話はまた今度
。
い
まは
・
・
・
﹂
﹁
う
、
うん
﹂
.
美也子はうなずいた
。
わ
、
わか
っ
てる
。
た
、
たしかにいまはそんな
ことを話している場合
ではない
。
.
状況が変わ
っ
た
。
ト
トプトの事情は気にな
るが
、
状況が変わ
っ
た
。
そんなことは
、
わ
、
わ
か
っ
てる
。
.
でも
・
・
・
.
つ
ぅ
ぅ
ぅ
う
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
・
・
・
.
う
︱
、
なんたるドジ
!
.
彼女は眉をひそめた
。
痛くて涙がにじんでき
そう
。
.
う
︱
︱
︱
。
.
う
︱
︱
︱
︱
︱
︱
︱
。
.
亜久亜と茶茶はその
場にすく
っ
と立ち上が
り
、
天井の方を見上げ
ている
。
.
う
︱
︱
︱
、
.
私
っ
て
、
いつもこう
。
う
︱
︱
︱
︱
︱
︱
。
.
美也子は手に持
っ
た
ポテチの袋を
、
右手で
、
ぎ
ゅ
っ
と握り締めた
。
う
︱
︱
︱
︱
、
ひざを押
さえ
、
ゆ
っ
くりと立ち
上がる
。
.
う
︱
︱
︱
︱
︱
︱
︱
。
.
う
︱
︱
︱
︱
︱
、
ま
っ
たく
、
も
ぉ
!
﹁
トトプト
﹂
.
最初に声をあげたの
は
、
ナミクルだ
っ
た
。
ふわ
っ
とテ
︱
ブルの上
から浮かび上がり
、
す
ぅ
︱
っ
と茶茶の顔のす
ぐ脇へと舞い上が
っ
た
。
.
.
みんな大変
!
.
.
聞こえる
?
.
.
.
.
.
天井の方からトトプ
トの声が響いた
。
正確
には
、
天井ではなく
、
さらにその上
、
遙かな
天のかなたから響いて
くる声
。
﹁
聞こえてるわよ
、
ト
トプト
﹂
.
ナミクルが答えた
。
.
.
あ
っ
・
・
・
.
.
あ
、
お姉ち
ゃ
ん
!
﹁
トトプト
﹂
.
ナミクルはき
っ
ぱり
とした声で続けた
。
﹁
こ
っ
ちの世界にいる
ときには
、
お姉ち
ゃ
ん
っ
て呼ぶな
っ
て言
っ
た
でし
ょ
?
﹂
.
.
あ
、
うん
.
少し戸惑
っ
たトトプ
トの声
。
.
.
ご
、
ごめん
。
.
.
・
・
・
あ
っ
、
.
.
お姉
・
・
・
.
.
ナミクルだけ
.
.
じ
ゃ
なくて
、
.
.
全員
、
.
.
そこに
・
・
・
.
.
・
・
・
.
.
美也子ち
ゃ
んの
.
.
部屋にいるの
?
.
ナミクルはうなずい
た
。
﹁
いるわ
。
私も
、
パリ
ポも
。
エンジ
ェ
ルズの
みんなも
﹂
.
誰もが顔を見合わせ
てうなずいた
。
.
亜久亜が
、
茶茶が
、
美也子が
、
互いに顔を
見合わせて
、
うなずい
た
。
﹁
うん
﹂
.
でも
・
・
・
.
つ
ぅ
ぅ
ぅ
う
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
ぅ
・
・
・
.
でも
、
美也子はぶつ
けたひざがや
っ
ぱり
、
ずきずきと痛んだまま
。
.
う
ぅ
︱
︱
︱
︱
︱
︱
、
.
い
っ
た
ぁ
︱
︱
︱
︱
︱
︱
︱
。
﹁
それで
?
﹂
とナミク
ルは言
っ
た
。
.
茶茶のすぐ脇で
、
ふ
わふわ
、
ふわふわ
、
と
浮かんだまま
、
その目
は
、
き
っ
と天井を見上
げている
。
.
トトプトの返事はす
ぐに返
っ
てきた
。
.
.
あ
、
あのね
、
.
.
な
、
.
.
なにか変なんだ
﹁
変
?
﹂
.
.
あのね
、
.
.
大勢の子供たちが
.
.
襲われているの
。
.
.
でも
・
・
・
.
ざわ
っ
、
.
・
・
・
と
、
部屋の空
気が変わ
っ
た
。
.
大勢の子供たちが
・
・
・
襲われている
?
.
この数週間
、
彼女た
ちは
、
まじかるエンジ
ェ
ルとして
、
様
々
な事
件を解決してきた
。
.
デパ
︱
トの前で因縁
をつけられていた女学
生を救
っ
たこともある
、
.
刃物を持
っ
た通り魔
を改心させたこともあ
る
、
.
ヤクザや
、
も
っ
と危
ない相手と相対したこ
ともある
、
.
その他にも
、
いろい
ろと
、
いろいろと
・
・
・
.
いろいろと
、
いろい
ろと
・
・
・
.
でも
、
だけど
、
大勢
の子供たちがい
っ
ぺん
に襲われているような
事件はこれまで一件も
なか
っ
た
。
.
一人
、
二人ではない
。
﹃
大勢の
﹄
子供たち
。
.
細かい状況は分から
ない
。
.
そんなことは関係な
い
。
そんなことより
、
いまは
・
・
・
﹁
トトプト
!
﹂
.
亜久亜はぐ
っ
と両方
の手を握り締め
、
言
っ
た
。
﹁
ごち
ゃ
ごち
ゃ
細
かいことはいい
。
いま
すぐ
、
俺たちをそこへ
﹂
﹁
そうです
ぅ
﹂
.
茶茶もき
っ
とした表
情になり
、
言
っ
た
。
﹁
亜久亜お姉さまの言
う通り
。
いますぐ
、
私
たちをそこに
﹂
.
パリポもうなずいた
。
.
ふわ
っ
とテ
︱
ブルの
上から浮き上がり
、
亜
久亜の肩に
、
す
っ
と降
り立
っ
た
。
.
天井を見上げ
、
﹁
トトプト
、
急いで
﹂
.
.
う
、
うん
.
ナミクルはほほ笑み
、
くる
っ
と空中で向きを
変え
、
部屋の中
、
一人
一人の顔をさ
っ
と見回
した
。
﹁
みなさん
、
よろしい
ですね
?
﹂
.
亜久亜は笑
っ
た
。
﹁
お
ぅ
﹂
.
茶茶も笑
っ
た
。
﹁
はいです
ぅ
﹂
.
美也子もうなずいた
。
﹁
う
、
うん
﹂
.
ずきん
、
と右ひざが
痛んだ
。
美也子は思わ
ず
、
少しだけ身をかが
めた
。
手に持
っ
たポテ
チの袋が
、
がさ
っ
と音
をたてる
。
﹁
あ
、
ち
ょ
っ
、
ち
ょ
っ
と
・
・
・
﹂
.
美也子は部屋の中を
見回し
、
言
っ
た
。
.
う
ぅ
︱
︱
︱
︱
。
.
右ひざに手をあてた
。
.
パリポとナミクルは
顔を見合わせ
、
にこ
っ
と笑い合うと
、
す
っ
と
天井を見上げた
。
.
二人の声がきれいに
そろう
。
﹁
トトプト
、
いいわよ
﹂
.
.
う
、
うん
﹁
あの
、
ち
ょ
、
ち
ょ
っ
と
・
・
・
﹂
.
トトプトの声は続い
た
。
.
.
強制転移準備
、
.
.
五
・
・
・
四
・
・
・
﹁
う
︱
、
ち
ょ
、
ち
ょ
っ
と
・
・
・
﹂
.
亜久亜は天井を見上
げ
、
に
っ
と笑い
、
﹁
いくぜ
﹂
﹁
いくです
ぅ
﹂
.
茶茶も言葉を続ける
。
.
あ
っ
、
と思い
、
茶茶
は部屋の隅に駆け寄
っ
た
。
壁に立てかけてあ
っ
たテデ
ィ
ベアのぬい
ぐるみを
、
ぎ
ゅ
っ
と抱
きかかえ
、
﹁
テデ
ィ
ち
ゃ
んも
、
い
っ
し
ょ
にいくです
ぅ
﹂
.
.
・
・
・
三
・
・
・
.
.
二
・
・
・
﹁
ち
ょ
、
ち
ょ
っ
と
・
・
・
﹂
.
美也子はもう泣きそ
うだ
っ
た
。
.
右ひざが
、
ずきずき
と痛む
。
﹁
ち
ょ
、
ち
ょ
っ
と
・
・
・
トトプト
、
ち
ょ
っ
と
、
ま
っ
・
・
・
﹂
.
.
・
・
・
一
.
.
・
・
・
ゼロ
・
・
・
.
亜久亜は顔を上へと
向け
、
す
っ
と目を閉じ
た
。
.
茶茶も
、
す
っ
と目を
閉じた
。
.
パリポも
、
ナミクル
も
。
.
・
・
・
﹁
ち
ょ
、
ち
ょ
っ
と
、
ま
っ
・
・
・
﹂
.
.
強制転移
!
.
トトプトの声が部屋
に響き渡る
。
﹁
き
ゃ
あ
﹂
﹁
よ
っ
し
ゃ
あ
﹂
﹁
はいです
ぅ
﹂
.
その瞬間
︱
︱
.
ざざ
っ
、
と足もとか
ら上へと向か
っ
て
、
﹃
なにか
﹄
が吹き上げ
るような感覚が三人を
つつんだ
。
.
さ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
、
と
体が分解し
、
す
ぅ
ぅ
ぅ
っ
︱
︱
、
と空気の中に
とけ込んでいくような
感覚
。
.
ふわ
っ
とした感覚
。
.
自分が自分でなくな
り
、
この世界に満ちて
いる様
々
なきらめきと
一つになるような感覚
。
.
時間にして
、
数百分
の一秒にも満たない時
間
、
カ
ッ
とまばゆい光
が辺りをつつんだ
。
.
そのまま
・
・
・
.
そのまま
、
三人と
、
二人のぷりんて
ぃ
んの
姿はその場から
、
す
っ
と消えていた
。
.
やがて
、
何ごともな
か
っ
たかのように
、
部
屋はもとへと戻る
。
.
後には
・
・
・
.
後には
、
ただ窓辺の
カ
︱
テンだけが
、
さら
さら
、
さらさら
、
と揺
れていた
。
.
そして
、
.
・
・
・
もう一つ
、
か
すかに響く
、
美也子の
残存音声
。
.
.
も
︱
、
ち
ょ
っ
とま
っ
て
っ
て
、
.
.
言
っ
たのに
ぃ
ぃ
ぃ
ぃ
ぃ
︱
︱
︱
︱